オランダが選ばれる理由
― 税制メリット

ヨーロッパ近隣諸国に比べて低い法人税をはじめ、外国企業がビジネス拠点としてオランダを選択する理由となる数多くの特長が、オランダ税制にはあります。詳しくはこちら

トップ・セクター

今日の社会・経済情勢は、世界的にも国内的にも、より強い革新力と企業家精神を求めている。オランダ政府は一層の規制緩和によって、企業家にとってのビジネス、投資、革新、輸出の自由を増すことで経済機会をもたらすこと、それによる経済成長と社会繁栄を促進するため、オランダが強い10の産業分野を「トップ・セクター」に位置づけた。
官民協力、イノベーション強化などをとおして一層活発なビジネス展開を目指している。

オランダ政府が力を入れている10の産業セクター

 

>Agriculture and Food 農業・食品

  アグリビジネスはオランダ経済の原動力のひとつ。米国、フランスに並ぶ世界三大農産物輸出国。欧州から輸出される野菜総量の1/4がオランダ産である。専門知識、インフラストラクチャー、食品加工産業、流通と物流など農産物と食品に関するすべてがハイレベルに揃っている。何十年にもわたって国際競争の牽引役を維持しており、革新的で持続可能な方法による最適な価格/品質比率での食品、花卉、植物の生産供給を最重点に、農家と生産者が協調している。
  より大規模集約的になり、肥料や堆肥が環境に与えるインパクトが大きくなっている今日、健康で安全な食のためにサステナビリティーに強く焦点を当てている。ワーヘニンゲン(Wageningen)市の「フードバレー(Food Valley)」は農産物と栄養に関する世界有数のリサーチセンター。NIZO食品研究所は欧州最大の食品検査プラントを持ち、あらゆる食品・材料産業にアクセスを持つ。
  ワーヘニンゲンの「Restaurant of the Future」は世界的にもユニークな実験的レストランで、好みや料理の選択データに基づく高度なリサーチを行っている。ほかにも、Carbohydrate Competence Centerなど、大規模な食品イノベーションクラスターが複数存在する。

>High Tech ハイテク

 世界で3ヵ国(米国、日本、オランダ)しかない、セミコンダクタ産業の完全バリューチェーンを保有する国。欧州で唯一のセミコンダクタ設計・製造技術と設備を有する国であり世界中のチップの相当量がオランダ製の機械設備で設計、製造されている。
  オープン・イノベーションは、企業、研究機関、政府機関が協働して行うもので、明らかな優位点は、研究開発効率の強化と技術開発の連携によって新製品への結び付きが格段に速くなり、企業はより高いレベルで自社のコアビジネスに専念できることにある。産官協力の姿勢はオランダの伝統的なもので、R&Dエコロジー(生態)ともいうべき形で表れている。セミコンダクタの革新開発でEUの主導的立場をキープするオランダでは、新たなビジネス機会を生み、インフラが整備され、さらに新たな企業進出を呼び、トップ企業や世界的科学者、研究者にとっての魅力が増し、欧州レベルの研究開発が拡大している。オランダのR&D引用記録は世界のトップレベルで、研究論文は世界中の科学誌掲載論文の2.5%を占める。官民あわせた研究では、ひとり当たりの研究発表件数で、英国、ドイツ、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、スイス、ベルギー、フランスを含むグループで、第1位となっている。
  セミコンダクタ産業は、ミクロンやナノメータのレベルへのダウンサイジングを焦点としており、最終的にはCMOS技術ですべてのシステムを統合するチップの開発が期待されているが、新製品やサービスの開発改良を目指す企業にはオランダ政府の革新的な動きが大きな支援になると目されている。

>Horticulture 園芸・育種

  オランダは世界のトレンドセッター、マーケットリーダーで、花卉、球根、造園樹木、果物、野菜の国際ネットワークの心臓でもある。切り花と観葉植物の世界貿易のハブで、花が収穫されたその同日に日本に届くという、優れたサプライチェーンを構築している。
   エネルギー効率、環境変化対応の技術に注力しているオランダの温室園芸は、可動式プラットフォーム、ロボット、革新的な照明システム、エネルギー効率、水(廃水)リサイクルなどの新しい技術で、世界の主導的立場にいる。研究機関との密接な連携のもと、グリーンポート(Greenports)として、生産、R&D、物流、インフラストラクチャー、輸出を集約。技術革新の点からも、水上温室インテリジェント・グリーンハウスや、消費を上回るエネルギーを生産することでCO2削減に貢献するグリーンハウスなどがある。
   生産量アップ、持続可能で安全な生産、病害虫への耐性、味・デザインの変更などを実現するグリーン・ゲノミクスでもリーダーで、Plant Research International とTop Institute Green Genomics がこの分野を牽引している。

>Logistics ロジスティクス

  最先端のインフラストラクチャーとワールドクラスの物流サービスプロバイダの存在、そして欧州の心臓部で海に面し、内陸部の経済・工業地帯にまでも到達できるライン川の河口に位置する戦略的立地。ライン川水系は世界最大の水運ロジスティクスを誇っており、オランダを文字どおり、欧州のゲートウェイにしている。
   群を抜いて欧州最大で、世界第4位のロッテルダム港、そして欧州屈指の貨物と旅客のハブ、アムステルダム国際空港スキポールを持ち、道路、鉄道、内陸水路、パイプラインの広範なネットワークで、欧州全体の陸送・水運貨物量の大きな割合を占めている。食品や花など輸送時間に厳しい分野には先進のITを導入。環境持続可能ロジスティクスやサイレント・ロジスティクスにも先駆者としての努力を傾注している。
   オランダは、欧州物流センターの拠点として選ばれる国で、米国、アジアの企業の欧州物流拠点の57%がオランダに置かれており、全体で1,900万平米が物流センターに供されている。
  ロッテルダム港はMaasvlakte2計画で1,000ヘクタールの産業用地を拡げており、その63%がコンテナ輸送(最大能力1,700万TEU)に割り当てられる。2012年稼働。コンテナやバルクなど貨物専用の鉄道路線ベトゥベルート(Betuwe Route)がロッテルダム港と欧州内陸部を高速で結んでいる。ロッテルダム港から、欧州各地の主な経済工業地帯はすべて24時間以内で到達できる。
   Smart Cargo Hub for Europeイニシアチブのもとで、スキポール空港、アムステルダム港、民間セクターの連携で、アムステルダムを欧州最速で最も信頼できるマルチモダールなハブに育てる。

>Life Science ライフサイエンス

   生産的なR&D基盤とイノベーションの集約のゆえに、とくにヒューマンヘルス(ワクチン、治療学、医療機器、診断)、農業・食品(酪農、機能性食品、栄養補助食品)、環境(水質浄化)、発酵、の分野に強い。ホワイトバイオ分野では工業生産のアプリケーション、レッドバイオではヘルスケアの応用に焦点を当てており、オランダ企業はこれら分野で世界をリードしている。
   応用R&Dに関する官民パートナーシップでは、民間部門が学術機関、政府機関と密に連携している。ゲノミクスの国家プログラムでは2012年までに5億ユーロを充てる。バイオメディカルサイエンス分野に8 大学、農業サイエンスに2 大学、動物科学分野に1大学があり、R&Dが盛んに行われている。
   ライフサイエンス・ヘルス・イノベーション・プログラムがおよそ100のプロジェクトに今後5年間に5,000万ユーロを拠出する。世界的な研究機関Top I nstitute P harma, Center f or Translational Molecular Medicine, Biomedical Materials Programmeなどと連携してイノベーションへのアプローチを集約。

>Water 水

  中世から続く水との戦いの歴史に裏付けられた水利技術は世界が認めるところ。ダムや堤防ばかりでなく、湖沼、川、河口、海のあらゆる水に関わる専門家。地下水、地表水、灌漑、排水、上・下水道、モニタリング、洪水対策リスク管理、さらに都市計画、干拓、沿岸保護や、港湾、水道システム、防潮堤などの建設に関するノウハウも特筆に値する。
水力工学、浚渫、建設、良質の工業用水供給、堤防技術に多数の企業があり、とくに水力工学と水質浄化技術において国際的に活躍している。環境面から水の利用と質に重点をおき、塩素処理のいらない良質の飲料水供給と水処理に高度な技術を有する。脱塩処理や水質浄化、廃水の工業用水再利用率も高く、すでに1970年代から革新的な廃水処理技術を開発。

>Chemical 化学

  約400社の化学会社が7万人を雇用。国内工業生産の15%、工業生産輸出の20 %、うち、基礎化学品と特殊化学品はそれぞれ60 %と40%を担っている。面積では欧州の1%にも満たないライン川とスヘルデ川が形成するデルタ地域が、全欧州の石油化学生産活動のじつに45%を抱えており、ロッテルダム・アントワープ間が世界の化学産業の中心地となっている。オランダの化学製品の3/4は輸出されており、そのうちの80%は欧州諸国向け。全EUの化学品輸出の7.6%、西欧における化学品生産の16%をオランダが担っており、人口でEUの4%に満たないオランダの化学産業の強さが際立つ。
  オランダの戦略的立地のゆえに、世界中の化学会社が進出し、高教育の労働力、国内の天然ガスや塩素の豊富な産出、原油基地、化学品に精通した特殊輸送手段やロジスティクス・インフラなどオランダのケミカル・ビジネス環境のメリットを享受している。

>Energy エネルギー

  2050年までにCO2排出を半減、電力の40%を持続可能なソースから産出し、CCSなど新技術を活用するとしている。産官学の三者協力のもとで、新しいエネルギーソースとして、グリーン・マテリアル、構築環境、サステナブル・モビリティー、チェーン効率、サステナブル・エレクトリシティー、ニュー・ガス、グリーンハウスをテーマにしている。風力で6, 000MW達成を目指し、波、藻類、バイオマスによる発電も実験中。天然ガス、グリーンガスの両方で欧州のリーダーを目指す。スマートグリッドも開発を進めている。
   太陽エネルギーに関するアプリケーション特許で世界第6位。ECNなど世界的な研究機関と大学や企業が協同して研究を行っている。洋上風力発電や、バイオマスと火力発電におけるバイオマスの混合燃焼などで、先導的専門知識を有する。
  ロジスティクスでも、石油化学、工業活動でも中心地であるロッテルダムは、バイオマス、バイオ燃料のハブを目指している。CCS技術の世界的先駆者であるオランダでは、欧州第2位の規模を誇る90億トンの貯蔵スペースを有する。

>Creative クリエイティブ

  レンブラントやファンゴッホといった天才を引き合いに出すまでもなく、オランダの創造性は世紀を越えて認識されている。現代の巨匠は、ファッションデザインのViktor & Rolf, 建築家のRemKoolhaas、イラストレーターのDick B runa、DJ/プロデューサーのArmin van Buuren,Tiestoなど。オランダの創造性は、建築、デザイン、音楽、TV、ゲーム、ファッションの分野のパイオニアたちを輩出している。
  オランダの建築は世界中の名だたる建築物で実証されており、Rietveltに代表されるインテリアデザインには伝統的な強みがある。サステナビリティーと社会ニーズの融合を組み入れた都市計画と建築物、革新的なTV番組フォーマット制作、また、印刷物やポスター、パッケージや視覚的コミュニケーションに強いグラフィックス分野、ブロードバンドやモバイルの普及で世界的に広まったゲーム分野、ダンスミュージックやパフォーマンスの芸術性で名高いダンスなどで、クリエイティブ産業は世界に躍進している。

>European Headquarters 欧州事業統括

  欧州市場の中心に位置し、英語国で、ヒト・モノ・カネのハブともいえるオランダは、その有利な税制、寛容な規制、欧州の主要都市にはどこも1時間から1.5時間で到着できる地の利を得た足回りのよさ、ユーロ圏、オープンな経済、安定的な政治環境、良好な生活環境、柔軟な労働事情、コスモポリタン社会、など、国際的な事業展開の中で、オランダの金融ほかサービス部門を基盤として欧州事業を統括する機能を置くのに最適な国となっている。

 

Source:To the Top ‒ The enterprise policy in action(s)
(2011/09)