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欧州ロジスティクス成功のカギは、
情報力と適切なロジスティクス・コンセプト

オランダ物流振興会(Holland International Distribution Council=HIDC)の最新報告書によると、急拡大するヨーロッパのロジスティクス市場での成功のカギを握っているのは資産管理よりも情報力であることが明らかになった。

この報告書によれば、効率的な情報管理をすることによってのみ、企業は事業環境の激しい変化についていけるのであり、適切なロジスティクス・コンセプトによってのみ、顧客のニーズに応えていけるということだ。

ロジスティクス産業は、顧客の不満の矢面に立たされやすいという性格の一方で、サプライ・チェーンの各段階から集まる情報を活用することにより、顧客の期待に応えるサービスを開発、提供できる立場にあるとも言える。

業界全体にこうした姿勢の変化が起きている原因は、ヨーロッパのビジネス環境が複雑さを増していることにある。マス・カスタマイゼーション(大量注文製造)の浸透に伴って、個人レベルでもカスタマイズされた顧客サービスを求めるニーズがこれまでになく高まりつつあり、技術の発達に裏打ちされた流通チャネルが広がることによって、グローバルで複雑な市場が生み出されつつある。

ロジスティクス・サービス・プロバイダに迅速なレスポンスを求める声は高まる一方だが、その実現のためには、複雑なサプライ・チェーンを完璧に制御するとともに、同時並行的な処理を可能にする柔軟性が求められる。

顧客の期待に応えるため、ヨーロッパ企業は顧客サービスに最大限の注意を払いつつ、競争力を維持するために費用効果を確保するという難問に立ち向かわなければならない。このためには、ビジネスが急拡大した場合でも安定した効率的なサプライ・チェーンを維持しつつ、ビジネス・プロセスと顧客サービスを合理化していかなければならない。

今回のHIDC報告書は、企業にとって最新の技術と、現在ロジスティクスとサプライ・チェーンの市場に形成されつつあるコンセプトを理解して、将来に備えるための指針となるものである。同報告書は、現在ヨーロッパのサプライ・チェーン・マーケットで起きていることと、サプライ・チェーンの将来的な発展の方向に注目していることが特徴。

企業にとって、インターネット主導の市場に出ていくことは、サプライ・ネットワークをまたいだダイナミックな製品の流れに身を投じることである。このことは、必然的にサプライ・チェーン・マネジメントの機能分化に結びつく。企業はこれまで以上に企業経営とサプライ・ネットワーク全体の最適化に専念し、その運営は「ベストプラクティス」な専門企業にアウトソーシングしていくことになる。この専門企業の管理は企業が行ってもいいし、外部のサードパーティに委託してもかまわない。

技術インフラのイノベーションが進んでいることは、サプライ・チェーン・マネジメントに対するこれまで以上にオープンなアプローチを可能としている。インフラの整備によって、サプライヤー、製造拠点、ロジスティクス拠点がインターネットによって接続されることにより、サプライ・ネットワークの透明性はますます高まりつつある。これは、企業であろうとサードパーティ・ロジスティクス企業であろうと、「End-to-End」のサプライ・チェーン・プロセスの構築、マネジメント、最適化をこれまで以上にスムーズに行う機会が高まったということでもある。しかし、どの段階にせよ、成功のカギを握っているのは効率的な情報の共有であり、情報なくして最適化を行うことはできない。

これらを踏まえてHIDCは、ロジスティクス業界全体が、資産管理を中核とするビジネスから、サプライ・ネットワークから得られるプロセス情報を核とするビジネスへと脱皮する過程にあると判断している。

HIDCは、ヨーロッパの製品および市場条件を反映させたロジスティクスのあり方について、以下のような組み合わせを提唱している。

製品主導型: 注文に応じた生産、在庫に応じた生産、フレキシブルな注文生産(生産拠点に隣接したインバウンドな統合センターがある場合もない場合もあるが)
在庫主導型: 欧州全域対象物流センターもしくは国・地域別物流センター、緊急在庫対応拠点、および各国の市場在庫ポイント
輸送主導型: 輸送機関を経由する直接配送、統合、仕分け、出荷を行うハブオペレーション[輸送中にクロスドッキングやマージを行う]

HIDCは、これらのコンセプトを製品のロジスティクス面でのニーズに合わせて、質的な枠組みのなかに位置づけている。調査によれば、サービスの信頼性と対応力を兼ね備えることを求める声が強い。ここでいう信頼性とは正しい製品を正確な数量だけ正しい場所にタイムリーに配送することを求めているということであり、対応力とは現実の、もしくは予想される顧客からの要望に応じた運営規模で顧客の要望に応えていける柔軟性を指している。

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