ユーロ本番を控えて着々と進む準備
ユーロ圏12カ国に住む人はもちろん、旅行でもビジネスでも、ユーロ(EURO)紙幣や硬貨に慣れなければならなくなる時が刻々と近づいている。このまったく新しい通貨ユーロは、国内通貨であり、欧州通貨であり、また国際通貨でもあるという、ユニークな性格をもつものである。ユーロ紙幣・硬貨のデザインは、すでに欧州中央銀行のウェブサイトで見ることができる。オランダをはじめとしてほとんどの国では、店頭ではすでに、それぞれ自国の国別通貨に並んでユーロとの2本立てで価格表示されているが、2002年1月1日に流通開始になれば、国別通貨は消え、ユーロが唯一の通貨となる。まさに歴史的なイベントである。
ユーロ圏全体では2002年1月1日までに、ユーロ紙幣145億枚とユーロ硬貨500億万枚を製造する計画になっている。現在、欧州全域の15カ所の造幣所、15カ所の鋳造所でフル生産されており、これまでに80億枚の紙幣と400億枚の硬貨が製造されている。
国別通貨からユーロへの移行体制については、各国がそれぞれ独自の移行計画を立てており、移行期間も国によって異なる。国別通貨とユーロのいずれも使用できる「二重通貨流通」が認められる移行期間は4週間から2カ月と定められている。いずれにしても、2002年1月1日の「E
デイ」(€-day)から2週間後の1月15日までには、現金取引はほとんどユーロで行われるようになると予想されている。オランダでは、2002年1月28日をもってユーロが唯一の法定通貨となる。しかし、この移行期間の終了後に国別通貨が残っていたとしても心配する必要はない。各国中央銀行ではかなり長期間にわたって国別通貨とユーロとの交換業務を行うことになっている(ただし、商業銀行での交換業務は2002年末で修了)。オランダではオランダ外の国別通貨との交換業務(交換手数料はオランダ中央銀行では無料だが、商業銀行では有料)は2002年4月1日をもって終了することになっているので注意が必要。したがって、出張者や旅行者には、ユーロ圏各国の国別通貨はなるべく早くユーロに交換しておくことが望ましい。
オランダにおけるユーロへの移行日程
国別通貨の法定通貨としての役割終了:2002年1月28日
商業銀行における国別通貨とユーロとの交換業務終了:2002年12月31日
オランダ中央銀行における国別通貨とユーロとの交換業務終了:
紙幣:2032年1月1日
硬貨:2007年1月1日
オランダ外のユーロ圏各国の移行計画については、 http://www.ecb.int/ecb/history/emu/html/index.en.html
を参照。
移行過程
2002年1月1日にユーロ通貨が導入されるまでには、銀行、郵便局、店舗などに十分なユーロを現金で供給しておく必要がある。このためには、造幣所や鋳造所から大量の紙幣や硬貨を輸送しなければならず、輸送、ロジスティクス、セキュリティの問題が生じることになる。欧州中央銀行とユーロ圏12カ国の各中央銀行は、各国が2002年1月1日に無事に「E
デイ」(€-day)を迎えることができるように万全の体制をとる責任を負っている。
2002年1月1日までに、銀行や郵便局、店舗に十分な量のユーロ紙幣と硬貨を確保させるために、ユーロ紙幣と硬貨を金融セクターに配給する「フロント・ローディング」作業が2001年9月1日から開始される。この作業は、欧州中央銀行が8月30日に偽造防止策を含めたユーロ紙幣の最終的な仕様を明らかにするのを受けて行われるもので、まず銀行にユーロ紙幣・硬貨を供給(フロント・ローディング)し、ユーロ通貨の供給を受けた銀行が今度は小売事業者など事業顧客に供給(サブ・フロント・ローディング)するという手順になる。
一般市民が2002年1月1日の導入以前にユーロ通貨に慣れる機会を提供するものとして、スターター・キットも用意される。このキットには、数種類のユーロ硬貨、国別通貨とユーロとの換算表が入っている。12月の最終2週間に発売される予定で、このキットでユーロ通貨になじんだ欧州市民は2002年1月には速やかに手持ちの国別通貨をユーロに交換するものと期待されている。
2002年1月1日になると同時に、ATM(現金自動預入支払機)の取り扱い通貨はユーロに変更されるため、一般市民はATMを通じてユーロ紙幣を入手することになる。ATMで扱う紙幣は、5ユーロ、10ユーロ、20ユーロといった小額紙幣が中心となる。ユーロ圏のほとんどの国では、移行期間を待たずに余剰の国別硬貨の返却を促す告知キャンペーンを実施、あるいは間もなく開始される。
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日本国内での国別通貨のユーロ通貨への交換は、おおむね、キャッシュ、トラベラーズ・チェック(T/C)ともに2001年12月31日まではユーロ建T/Cへ交換、以後2002年2月28日まではキャッシュ、T/Cともにユーロ建T/Cまたはキャッシュへ交換、という対応となるもようですが、期間、手続きなど銀行によって多少のバラツキがみられますので、かならず取引銀行の各支店にご確認ください。 |
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