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最新物流事情:
EDC(欧州物流センター)からELC(欧州ロジスティックス・サービス・センター)へ

経済のグローバル化に対応するため、各メーカーは、生産システムとロジスティックス・システムを統合し、世界全体のサプライチェーンおよび業務をリエンジニアリングすることでコア業務に集中しようとしている。メーカーの究極の目的は、業務コストを削減し、柔軟性を高め、顧客サービスレベルを向上させることにある。そのため、工場の数を減らして、より特化を図り、合理化され柔軟性のある生産体制への移行を図ろうとしている。ロジスティックスに関しては、EU内での調和と規制緩和が進んだのをうけ、ヨーロッパ内の倉庫、物流、物流マネジメントを集中管理する方向に大きく動いている。

近年、ヨーロッパのビジネス環境が変化する中でヨーロッパ全体のロジスティックスをみると、欧州中央物流センター(EDC)だけが、効率をあげる絶対の方法とばかりはいえなくなってきている。サプライチェーンの機動性を増し、また、製品のカスタマイズ化に対する需要増大に対応するため、地域倉庫、クロス・ドッキング(Cross Docking)、マージ・イン・トランジット(Merge in Transit)などの方法が広がってきている。従来型のサプライチェーンは、次第に、複雑に集中管理された需要ネットワークと変化し、在庫の物理的な所在地はあまり重要ではなくなっている。このような変化と共に、従来のEDCは、サプライチェーンのなかで新たな役割を担い始めた。つまり、在庫の保管場所としての従来の付加価値に加え、サプライチェーン全体のサービスセンターとなるのである。たとえば、在庫計画、通関手続き、顧客との連絡などが加わる。その結果、多くの場合EDC(欧州物流センター)という言葉はもう当てはまらなくなり、代わってELC(欧州ロジスティックス・サービス・センター)と呼ばれるようになった。

ELCとは、最低でも5ヵ国からの物の流れを管理する、複数のロジスティックス概念から構成されるネットワークの中核として定義することができる。つまり、ELCは、物理的な配送以外に、代金回収、関税繰り延べ、付加価値サービスなどを管理する。

ELCにおいては、従来の生産方法である見込生産(BTS=Built to Stock)による製品保管がまだ一般的ではあるが、すでに自社ELCの5ヵ所に1つ、アウトソーシングによるELCの7ヵ所に1つは、受注生産(BTO=Built to Order)による製品を扱うようになっており、最終仕向地に直接出荷している。つまり、製品を保管せずに、クロス・ドッキング配送を行なっている。これにより、BTS製品も、より早く、より短いルートで、最終的な市場へ出荷することができるようになった。多くのサプライチェーンでは、在庫保管地は一ヵ所しか存在しない。在庫が複数の場所で重複するのは現在では一般的ではなくなっている。唯一の例外が重要なスペア・パーツが関わる場合であり、この場合、在庫は分散して複数の場所で保管され、出荷の度にELCから補充を受ける。クロス・ドッキング業務の具体的な形の一つが、マージ・イン・トランジットである。その言葉が示すように、独立した製品の流れを、実際のELCで運送単位にまとめたり保管したりするのではなく、輸送途中(イン・トランジット)で貨物をまとめる(マージ)。複数の在庫保管場所を抱えている企業は、在庫レベルを中央管理している。製品が地域の倉庫に短期間だけ保管される場合、その業務は、RFD(=Rapid Fulfilment Depot/配送効率をあげるための一時保管デポ)と呼ばれる。クロス・ドッキング業務と異なり、RFDを通る貨物は、まだ特定の顧客には割り当てられていない。アウトソーシングによるELCの76%は、いまも一ヵ所の中央倉庫でBTS製品を扱い、サプライチェーンの形は変わらないのだが、それは、荷主のほとんどが、新しい業務形態を導入した後にその業務をアウトソーシングするからである。中央倉庫は、古くからある効果的なコンセプトであり、今でも頻繁に使用されている。

情報通信技術(IT)が、以上述べた傾向を促す鍵となることは明らかである。複雑なネットワークは、複雑で高度な管理を必要とする。企業は、情報システム、そしてロジスティックスの管理をヨーロッパ全体あるいは地球規模で集中化しつつある。

(出所:オランダ物流振興会(HIDC) 2001年最新レポート
「The Netherlands, Excellence in Integrating Supply Chain Capabilities」より。HIDCサイト(www.hidc.nl)参照。)

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