オランダのバイオテクノロジー ―― ビジネス・政府・科学 を結ぶ
ヨーロッパへの進出を図る日本のバイオ企業は、第一にダイナミックで多様なビジネス環境の存在を求めるだろう。優先的に求めるリソースには、世界水準の研究開発施設、ビジネスに好意的な政府、教育水準の高い労働力、などが挙げられる。健康、農業、環境分野などで幅広い製品を生産する産業と同じく、ヨーロッパ大陸に進出するバイオ企業にとっての理想的な立地とは、確立されたリソース、広く認められたプロセス、そしてそれらがきちんとネットワークで結ばれている場所ということになる。ヨーロッパは、3億5,000万人を超える消費者への自由なアクセス以外にも、豊富な機会をバイオ企業に対して提供している。
オランダ・バイオ・デルタ: 第1歩はここから
オランダ・バイオ・デルタ(The Holland Bio-Delta)は、専門家や施設が揃い、バイオテクノロジーの研究活動が盛んな地域クラスターの緊密なネットワークである。ここでは、研究活動の成果を商業技術に転化するうえでも実績を誇る。ヨーロッパ・バイオテクノロジー協会(EuropaBio)では、バイオ産業が2005年までに西ヨーロッパで1,400億ドル以上の売上と150万人の雇用を生み出すと予測している。
オランダ・バイオ・デルタは、こうした機会を活用したいと考える日本のバイオ企業に対して、理想的な立地と適切なパートナーを提供するものだ。その理由は、以下のとおり。
研究開発クラスター
オランダの研究機関や企業は、国際的なネットワークやプロジェクトに日常的に協力している。ここ5年をみても、ヨーロッパ規模の基幹プログラムの37.5%に、オランダ人科学者が参画している。さらに、オランダのライフ・サイエンス企業の90%は国際的企業で、顧客も世界に広がっている。また、オランダには300社のライフ・サイエンス企業とバイオテクノロジーを専門とする大学や高等専門学校が18校ある。
オランダには、ライフ・サイエンス産業の「高度な専門知識」が集積したダイナミックな地域クラスターが7ヵ所ある:
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アムステルダム (Amsterdam): 2校の大学と数多くの研究機関が集積しているアムステルダムには、科学者、知的財産権や税法の専門家、ベンチャー・キャピタリスト、臨床試験の専門家などのプロフェッショナルが集まっている。 |
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フレボランド(Flevoland): ダイナミックなライフ・サイエンス研究機関の集積地で、農業分野の研究開発(バイオ・サイエンス・パーク)における画期的な成功で広く知られている。 |
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ヘルダーランド(Gelderland): ナイメーヘン(Nijmegen)とワーヘニンゲン(Wageningen)両大学を中心に300社のハイテク企業が集積しており、生物医学に強いナイメーヘンと食品技術関連の企業が集まるワーヘンニンゲンという2ヵ所の研究開発クラスターがある。 |
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リンブルグ(Limburg): ライフ・サイエンス活動の温床で、数多くの官・民の研究機関、有力大 学5校、大学病院3ヵ所があり、大学密度ではヨーロッパ随一。 |
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オランダ北部: フローニンゲン(Groningen)大学とフローニンゲン大学病院の近くにバイオテクノロジー企業が集中しており、ユニークなイニシアティブ(戦略的産業育成構想)であるバイオメッド・シティ・フローニンゲン(BioMed City Groningen)の一部を形成している。企業、研究機関、地方自治体の密接な協力により、情報の共有と移転が活発に行われている。 |
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ユトレヒト(Utrecht): 研究開発活動がとくに活発な地域で、労働人口の85%が研究開発に従事している。ユトレヒト大学は、ゲノミクス、プロテオミクス、バイオ・インフォマティクスの研究でよく知られている。この分野におけるトップクラスの研究はほとんどがアカデミック・バイオ・メディカル・センター(Academic Biomedical Center)に集中している。 |
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ウエスト・ホランド(West Holland): オランダでトップクラスの大学と研究機関が集中しており、約3,500人を雇用する60社以上のバイオテクノロジー専門企業の存在が特徴。ウエスト・ホランドは、西ヨーロッパでも名高いバイオテクノロジー・クラスターのひとつである。 |
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教育水準の高い労働力
オランダは、バイオテクノロジー企業にとって教育水準の高い労働者の宝庫であり、技術水準の高い専門家を育てる環境が整った国である。研究教育機関の約4分の1がバイオテクノロジーのコースを取り入れており、ヨーロッパの高等職業専門学校で研究室での実習を行っているのはオランダだけである。
オランダの研究者の質の高さは、以下に示す数字に端的に表れているといえよう。
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オランダは、科学的影響度(国際科学誌による相対的引用件数)では世界第3位にランク。 |
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臨床試験フェーズ・開始所要時間は、他のヨーロッパ諸国では数ヵ月かかるのに対して、オランダでは4〜6週間。 |
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1990年代を通じて、米国特許に引用されたオランダ人研究者の論文数は450%増という急激な増加。 |
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オランダ人のバイオテクノロジー専門家たちは、知的所有権保護のために特許申請においてもしっかりとした実績を残している。
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オランダは、特許と著作権で、世界第8位の申請国。
そして、国民1人当たりの特許出願件数では、米国、英国、フランスを上回っている。 |
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