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EU関税法の改正
欧州連合関税法典 UCC

これまでのEUにおける関税規則(Community Customs Code = CCC)のアップデートである欧州連合関税法典(Union Customs Code = UCC)への移行は、2013年10月29日に欧州議会・欧州理事会で採択され、2016年5月1日から適用(一部条項については遅れて)が施行されている。

 これまでの根拠である『近代化関税法典(MCC)』から『欧州連合関税法典(UCC)』への移行を意味するもので、税関の近代化の一環をなし、EU全域の税関における規範や手続きに関する新たな枠組み規則となる。UCCおよびその委譲法と実施法は下記を目的としたもので、すべての施行を2020年12月31日としている。

  • 税関関連の法令・手続きの整備
  • 企業にとっての法的確実性と適用の画一性の拡大
  • EU全域の税関官吏に対する規則の明確化と透明性の向上
  • 現代のニーズに合わせた税関規範・手続きの簡素化、通関の効率化
  • 税関における完全電子化・ペーパーレス化への移行完了

これにより、通関規則および手続きを、最小限かつ調和がとれ簡略化されたものにする。
 UCCは多項目にわたる変更を含むが、そのうち、欧州で事業を行う(欧州へ物品を輸出する)企業にとっての課税価格に関連する主な変更は右記のとおり。

1. ファーストセール基準の廃止

これまでは、EUの輸入者は、複数回の売買で成り立つサプライチェーン(製造→卸売り→販売)のなかの最初の取引の価格(すなわちファーストセール価格)に基づいて関税評価額が決定された。この基準が適用できない場合、サプライチェーン(商流)の各段階での販売価格に基づいて関税評価額がそれぞれ決定されることになり、関税負担が増加する可能性がある。


2. ロイヤリティーおよびライセンス料の課税要件拡大

これまではロイヤリティーおよびライセンス料の支払いが販売条件に定められていなかった場合、関税価額の算定に関しては、取引価格に加算する必要はなかった。今後、輸入製品の売手と買手の間でロイヤリティー支払いを販売条件とする取り決めがなくても、何らかの理由でロイヤリティーの支払いなしでは製品の購入ができないなどの場合には、事実上、輸入製品の販売条件としてロイヤリティーが存在するため、結果としてロイヤリティー支払額を取引価格に加算して関税価額としなければならなくなり、関税負担が増加する可能性がある。


3. AEOの優位性アップ

認可優良事業者(Authorized E conomic O perator =AEO)としての認定を受けている企業にとっての優位性が高まって、通関手続きの一層の簡素化や簡易申告が認められることになる。AEO事業者は法令遵守に優れ、信頼性の高い事業者であるため、UCCのもとで、さらに迅速な通関手続き実施を強化する。そのため、AEO取得や資格維持のための研修など、追加要件が定められる。

スムースな移行のために、トランジッション期間が設けられており、

a. 2016年5月1日時点で無期限に有効となっている認可については2019年5月1日までに再評価されなければならず、再評価がなされるまでの間は有効となる。

b. 2016年5月1日時点で一定期間有効とされている認可については、当該期間終了日または2019年5月1日のいずれか早いほうの時点まで有効となる。


 なお、UCC詳細はEUに確認のこと。またUCC対応が必要な場合には専門の知識・ノウハウが必要と思われるため、専門の税務アドバイザーへの相談を勧める。

(2016/4)
Source : 欧州連合 http://www.europa.eu/
UCC参考WEB http://www.ec.europa.eu/taxation_customs