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レンブラントと越前和紙−福井との縁

17世紀オランダ絵画の巨匠レンブラントが、江戸時代の日本からはるばる運ばれた和紙に銅版画を刷っていた!?


 2015年6月12日〜9月20日にかけてアムステルダムのレンブラントハウス美術館が開催した展示会(三菱商事および福井県の資金援助によって実現)では、和紙を採用した画家レンブラントの優れた画材選択がテーマとして取り上げられた。 

レンブラントが和紙のような紙を版画の印刷に使用していたことは古くから知られていたが、それがどの地域由来のものなのかは明らかになっていなかった。この紙は、オランダ東インド会社(VOC)の交易活動により、平戸および長崎からオランダへ伝えられたものだったのだ。

 日本とオランダ(アムステルダム国立美術館)の研究者が近年、この紙が日本由来のものかどうか、とりわけ福井県の越前地方に由来するものかどうかを特定する研究に着手した。レンブラントはこのような外来の貴重な紙を使用した先駆的な存在で、1647年頃から作品に採り入れるようになっていた。

息子ティトゥスの唯一の肖像画であるエッチングは、和紙にしか印刷されていない。西洋紙に印刷された作品と比較すると、レンブラントが和紙を選択したことによって作品にもたらされた効果は明白で、興味深い。

 1647年頃から最後のエッチングを作成した1665年までの間、レンブラントは銅版画の大部分を和紙に印刷し続けた。東洋由来の紙に印刷された作品は、西洋由来の紙を使用したものとは明らかに異なっている。レンブラントが使用した和紙の多くは薄茶色や薄黄色だが、象牙色のものもある。西洋の紙は表面が粗く光沢がないのに対し、和紙は滑らかで光沢感があるものが多い。

 レンブラントのエッチングおよびレンブラントハウス美術館をテーマとする展示会が、2015年秋に越前和紙の発祥地福井県で、2015年〜2016年冬には長崎でそれぞれ開催される予定。

(2015/12)