2012

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ホーユー株式会社
欧州拠点をロンドンからアムステルダムへ移転

現在日本におけるヘアカラーのトップメーカーであるホーユー株式会社(本社:愛知県名古屋市)は、今年1月、オランダ・アムステルダムに新しく欧州営業拠点を設立した。

この営業拠点は、去年までロンドンにあった駐在員事務所の子会社への拡大および移転となる。さらに、ノールトブラバント州にある物流会社を通して欧州全土に製品を供給していく。

このHoyu Cosmetics (Nederland) B.V.にManaging Directorとして就任した矢部成一郎氏に詳しい話を聞いた。

 Q.欧州子会社の設立先をオランダに決めた理由として、欧州の中心というオランダの地理的位置や、外国企業・駐在員に開かれた風土、そしてメリットの多い税環境などと伺っていますが、ほかに矢部様ご自身が感じられるメリットは何でしょうか。

A.まず、言語が挙げられます。殆どの国民が英語を話すことができますので、会社内の公用言語を英語にできます。社内に限らず、本社・オランダ法人・オランダの業者(物流会社など)の3者での話し合い、メールなどにおいても、英語でコミュニケーションを取ることが可能です。実務でも英語の書類が正本として認められるケースが殆どです。おそらく英語を公用語としていない国で、英語がここまで浸透している国はオランダ以外ないはずです。またドイツ語やフランス語を理解できる人も多く、この2カ国は特に英語が通じにくい国なので助かります。

また、在オランダの日系企業では駐在員、現地社員の日本人、ローカルスタッフの隔たりがなく、組織の疲労感がないように感じます。おそらくこれはオランダ特有の労働環境やオランダ人の職業観や国民性に起因していると考えています。これから先、日本企業が海外で活躍するためにはローカルスタッフをマネージメントする能力を身につける必要があると私は考えていますが、日本人には白人コンプレックスもあり、欧米人のマネージメントは苦手な分野です。しかし、欧米人であってもオランダ人は日本人にとって一緒に働きやすい人種であると感じています。

Q.実際にオランダに引っ越されてみて、仕事面から、印象はいかがですか。

A.外国企業にとってオランダはビジネスをしやすい国だと感じます。たとえばビジネスを始めるにあたっての国家システムがしっかり構築されており、物事がスムーズに運びます。Expatセンターの存在や、登記をすると自動的に税務当局からVAT番号が通知されるなど、全てが連動して動いている印象があります。イギリスの場合、アウトソースが進んでいますので物事を進めるにあたって、たらい回しにされることも多くありました。

また、オランダ人は長期休暇をとることが一般的で、仕事上のコミュニケーションに支障が出るのではないかと心配していましたが、個人ではなく組織で動く文化が根付いており、担当者が1ヶ月長期休暇をとっても代わりの担当者やチームでフォローしてくれます。

マイナス面としては、日系企業の中(特に金融、会計関連)にはオランダでは人材が見つからないため、イギリスで人材を募集している企業もあると聞きます。

Q.暮らしの面からの印象はいかがでしょう。

A.ロンドンに比べると正直不便なことが多くあります。しかしながら今では慣れ、妻も寧ろオランダの方がのびのびしていて気に入っているそうです。

Q. 会社をオランダに設立するにあたって、便利だったこと・苦労したことがあればお聞かせください

A.設立するにあたり便利だったのは、オランダ経済省企業誘致局の存在です。設立やビザ取得のサポートに関しては、法律事務所に依頼すれば10,000ユーロは超えていたと思いますが、オランダ経済省企業誘致局に無料でお手伝い頂けました。また、設立後は現地アムステルダムの企業誘致部にも情報を引き継いで頂き、色々な業者(旅行会社、印刷会社、会計ソフト販売会社等)の紹介等のサポートを頂きました。

会社設立にあたり苦労した点はオランダ語です。英語が通じるといっても公式な通知書(税務登録関連など)は全てオランダ語で届きます。フィッシング(詐欺請求)に戸惑ったこともありました。商工会議所を装い、登記以外の何らかの登録費用を促す請求書が届いたのですが、こちらもアムステルダム市の企業誘致部に相談し、対応しました。

Q.オランダに新しく会社を設立したことによって、貴社にとってどのような効果があると期待されますか。

A.これまで当社は各国に独占代理店を設け、代理店を通じて商品を販売してきました。代理店ビジネスはリスクは少ないですが、販売や売上が代理店の組織や能力に左右されやすいという欠点があります。オランダ法人設立後も既存代理店とのビジネスは継続しますが、代理店の能力で限界がある際は自社で市場開拓を進めていきます。契約も非独占に変更しました。代理店にとっては商品配送のリードタイムや在庫リスク、為替リスク(円からユーロ取引に変更)が減りますので、より営業に専念できる環境になったはずです。

物流面では今まで弊社工場から各代理店へ船積みしていたものを全てオランダへ一本化しました。個別に配送していたものを集約させ、生産もヨーロッパ全体の販売目標や実績に基づき本社とオランダ法人が計画的に管理していきますので、物流会社へ委託する物流倉庫料金を加えたとしても、ホーユーグループ全体としての総物流費用は下がると予想しています。小口配送も可能になりますので、営業機会は増えると思います(日本からの配送ですとロットが立たない限り、需要があっても販売できませんでした)。

Q.オランダでの休日は何をしてすごされることが多いですか。

A.休日は長男と一緒にWiiをよくやります。また、オランダという土地柄もあって長男が最近サッカーを始めたので、一緒にサッカーをすることも増えてきました。午後からは買い物というパターンが多いです。先週末はキューケンホフ公園へ行ってきました。これから良い季節に入るので外出する機会を増やしていきたいです。家族での外食はアムステルフェーンにある和食の「いしい」によく行きます。

 

http://www.hoyu.co.jp/

Source: 報蘭道(ほうらんどう)オランダ総領事館
(2012/05)