2012...

2011

にしてつ(西日本鉄道株式会社 国際物流事業本部)
オランダに新たな自社拠点を開設

欧州圏での貨物取扱拡大と海運増強の足がかりに

所在地:アウデメーア(北ホラント州・オランダ)       

事業内容:国際物流

従業員数:19人

本社:日本

 


西日本鉄道株式会社 国際物流事業本部(にしてつ)(=東京都中央区)は、2010年10月にオランダに現地法人NNRグローバルロジスティクス・ネザーランズ社(NNR Global Logistics Netherlands BV)を開設、欧州地域におけるさらなる事業強化を図る。同社のChris Coombe社長は、オランダは「欧州においてゲートウェイと呼ぶにふさわしく、かつ世界各地に向けたハブ(拠点)である唯一の国である」としている。この外にもオランダを選んだ理由として、「当初から在ロンドン・オランダ大使館、オランダ経済・農業・イノベーション省企業誘致局(Netherland Foreign Investment Agency = NFIA)、オランダ物流新興会(Holland International Distribution Council = HIDC)、スキポール地域開発株式会社(Schiphol Area Development Company = SADC)などの諸機関や税関当局の協力を得られたことで現地法人設立をスピーディーで容易に行うことができた」としている。

国際物流事業本部は、西日本鉄道(株)の国際物流事業部門である。明治41年(1908年)に発足した西日本鉄道(株)は、100年以上を経て現在は従業員数18,000名、グループ会社数92のグローバル複合企業へと成長を遂げた。鉄道事業、バス事業、不動産事業、旅行業、建設事業、レジャー・サービス事業、さらに現在同グループの主要部門である輸送・物流事業など幅広い事業を手掛けている。

国際物流事業本部は昭和23年(1948年)の事業開始以来、航空貨物、海上貨物、通関業、ロジスティクス業、貨物自動車運送業務などの輸送・物流分野で世界中の顧客に総合サービス・ソリューションを提供している。現在、アジア、オセアニアに38都市、米州21都市、欧州14都市に拠点を設けており、世界の航空貨物IATAランキングで20位以内にランクインしている。本社所在地は福岡で事業本部は東京に置く。

欧州へのゲートウェイ、世界各地へのハブ拠点

欧州事業の強化を図るため、2010年にオランダ駐在員事務所の法人化を決定。スタッフ2名だった同事務所は、セールス、自社オペレーション機能を持つ現地法人となり、顧客に対しフルサービスを提供することが可能になった。

現地法人の設立に際しては、Chris Coombe社長が当初から設立プロセス全般を指揮した。「プロセスの初期段階で、我々は既にオランダを選択していました。業務拡大の観点からすると、確かに他の欧州諸国もそれぞれ利点を持っていました。しかし、オランダに優るインフラを有する国は他の欧州諸国には見当たらず、また欧州のゲートウェイとして機能し得るのもオランダだけでした。」とCoombe社長は当時を振り返る。

「海外で新会社を立ち上げるのは大変な労力を要する」とCoombe社長は実感したと言う。「このプロジェクトに着手したばかりの頃、何から始めたらいいか全く見当もつきませんでした。にしてつで長年経験を積み重ね、世界各地を飛び回りましたが、会社設立に伴うオランダの法律、規制、手続きに関する専門知識はありませんでした。」

当時同社英国法人ダイレクターであった同氏は在ロンドン・オランダ大使館に救いを求め、そこでオランダ経済省企業誘致局(NFIA 注:日本語名称は当時)を紹介された。NFIAはオランダから新たな市場を見据えるために必要なあらゆる情報や統計データを提供し、さらにオランダ物流新興会(HIDC)と引き合わせてくれた。HIDCは会員登録企業数が400社近くあり、国際貨物輸送や保管に対する助言、実務補助、仲介役など欧州における物流事業の設立や再構築の手助けを行っている。

中立かつ客観的

「オランダ経済省企業誘致局(NFIA)およびオランダ物流振興協会(HIDC)から支援を得たことで、現地法人の設立プロセス全般が大幅に加速・簡素化されました。私が非常に重要だと感じたことは、疑問が生じた場合にはいつでも彼らにコンタクトを取ることができたことです。NFIAやHIDCでは対応できない場合、彼らは別の機関を紹介してくれました。さらに、提供される情報は常に中立かつ客観的でした。従って、我々は一方的な情報に振り回されることなく、詳細な情報を得た上で決断することができました。」

Coombe社長は許可申請時における税関当局のサービス対応の良さにも感嘆した。「海外に出た際に経験する多くの障壁のひとつに、規則が今まで慣れ親しんできたものと異なるということだけでなく、必要な書類や書式などは往々にして全て現地語であることが挙げられます。オランダ税関はこの点において我々を大いにサポートしてくれました。例えば、オランダ税関は自ら進んで書類のタイトルや見出しを全て英訳してくれたのです。」

ロッテルダムか、それともアムステルダムか

オランダ国内で適した場所を選択するのは比較的容易だった。「我々の業務内容を考えた場合、空港または港湾の近くに拠点を構えることが希望でした。航空輸送貨物は空港に近い場所でまとめる方が便利なため、スキポール地域は最適でした。最終的に、スキポール地域開発株式会社(SADC)が運営するフォッカー・ロジスティクス・センター(Fokker Logistics Park)に決定しました。ここは非常に優れた安全な施設が整っています。」

現在、アウデメーアの事務所には19名のスタッフが勤務している。今後、従業員数ならびにオランダ国内の営業拠点数を拡大する計画はあるものの、現時点では未確定である。「今現在、我々にとっての最重要課題は、確固たる組織の構築に集中することです」とCoombe社長は言う。「しかし1年後には、オランダ国内での事業拡大を確実に視野に入れていることでしょう。」

 

http://www.nnr.co.jp/global_logistics/
(2011/02)