技術革新に関わる税制優遇措置、さらに拡充へ
――イノベーションボックスとWBSO――

2010年からの変更点:

  • 「イノベーションボックス」の実効税率を10%から5%に軽減
  • 特許未取得の技術も、イノベーションボックス適用可能
  • イノベーションボックスの適用可能な利益額の上限撤廃
  • R&D税控除(WBSO)で50%控除が適用される給与年額の対象枠が€150,000から€220,000へ拡大

イノベーションボックス(=Innovation Box):

法人税の課税対象となる利益に関して、そのうち、技術的イノベーションである無形資産に基づいて生じた利益がある場合、それをイノベーションボックスに適格であると認め、その額に対して、法人税の通常税率25.5%より低い税率を認めるというシステム。

2010年1月1日より、オランダ納税者たる開発者が制作した無形資産に基づく利益に対しては、これまでの10%から5%へと軽減される。

適格となる無形資産は、これまでの特許取得要件がなくなり、また、R&D税控除をすでに受けた無形資産も、イノベーションボックスの適用が可能となる。すなわち、技術的イノベーションは、イノベーションボックスによる軽減税率の適用が可能ということである。ただし、商号、商標などの無形資産は適用外となる。

5%の軽減税率の適用申請は、企業による法人税納税申告によっておこなう。軽減税率は、イノベーションボックスに割振られた利益額の80%を法人税から免除するという形で実現される。残りの20%のみを課税対象額として、標準税率25.5%をかけることで、実効税率がおおよそ5%となる。当該の無形資産の開発にかかった経費や損失については、この25.5%法人税からさらに免除することができる。つまり、開発に伴う経費・損失を超過した利益分のみが課税される。

2010年より、イノベーションボックスに割振り可能な利益額に上限はなくなったが、その利益が適格な無形資産に基づいて得られたものであることを証明する必要がある。証明の手段については、事前にオランダ税務当局の同意を得ておくことを勧める。要請があれば、オランダの税務当局は事前同意を結ぶのが通例である。

2007年1月1日までに開発され、特許取得済みの無形資産については、イノベーションボックスが適用されない。また、2008年1月1日までに開発され、R&Dステートメントが取得されている無形資産についても、イノベーションボックスは適用されない。

イノベーションのためのR&D税控除(=WBSO):

技術的な無形資産の開発は、イノベーションのためのR&D税控除(WBSO=研究開発要員にかかる給与コストに対する賃金税・社会保障費を控除するという優遇策)の対象となる。2010年については、R&D税控除率は以下のとおり:

  • 給与年額 最初の€220,000まで:50%の控除
  • 給与年額 €220,000を超える€14,000,000まで:18%の控除

このR&D税控除を受けるには、当該の研究開発の開始前に申請され、かつ、必要条件を満たす必要がある。

出所: Netherlands Foreign Investment Agency
(2010/02)