マルク・ルッテ首相、訪日

今年2015年11月は、マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相が来日する。 昨年2 014 年秋のウィレム・アレキサンダー国王( His Majesty King Willem-Alexander)およびマキシマ王妃両陛下(Her Majesty Queen Máxima)の国賓訪日中には、エネルギー、サイバー・セキュリティー、農業、園芸・育種、投資など様々な経済分野に焦点が当てられた。日蘭両国間の協議によって、両国の連携に関する合意や覚書などが結ばれた。日本とオランダには400年以上に亘る経済関係があり、両国が互いに協力し合えることが今日でも多いのは興味深い。

ルッテ首相、初来日

「日本が経済大国として認識されていた80年代に私は育ちました。品質の高さから、人々は“日本製の”自動車や家電製品を購入しました。次代はアジア、とりわけ日本が世界経済の尺度になるとして、人々は日本的経営を研究し日本語を学んでいました。経済に関しては、199 0 年代から20 0 0 年代が日本にとってそれほどいい時代でなかったことは誰もが知るところですが、日本は今でも世界第3位の経済大国で、“日本製”は高品質の象徴であり、日本がオランダをはじめとする世界中の国々にとって重要な経済パートナーであることも承知しています。日本を訪問して、すでに強い日蘭の結びつきをさらに深化することを楽しみにしています。」

 ルッテ首相は、オランダの最善を提案できるよう、ビジネスマン100名を超える経済ミッションを率いて来日する。園芸・育、サイバー・セキュリティー、スポーツ・サイエンス、スマート・オリンピックは、オランダが強みとする分野である。ルッテ首相、シャロン・ダイクスマ(Sharon D ijksma)農相、エバハート・ファンデルラーン(Eberhard van der Laan)アムステルダム市長、アムステルフェーン市のミリアム・ファントフェルト(Mirjam v an‘ t Veld)市長、カイサ・オロングレン(KajsaOllongren)アムステルダム市副市長も、経済視察団とともに来日する。またその同じ週には、世界的に名高いロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(Royal Concertgebouw Orchestra)が日本ツアーを行う。

 「オランダも日本も、食の安全、サイバー・セキュリティーといった重要なテーマに取り組んでいます。今回の訪日では、これら重要分野におけるオランダの経験や知識をお示しして、共に理解と協調を深め、解決を見出す機会となるでしょう。」

 オランダは欧州のゲートウェイとして、欧州およびEUの経済と密接に関連している。ロッテルダム港は、群を抜いて欧州最大の港で、アジア製品の50%以上がロッテルダムをとおって欧州に入ってくる。ロッテルダム港は常に拡張し、巨大コンテナ船の接岸が可能なマースフラクテ2(Maasvlakte2)を2015年に稼働させたなど、将来への準備は万全である。 一方、空の表玄関スキポール空港は、旅客と貨物の両方で欧州最大の空港のひとつであり、重要なハブ空港である。旅客をいっそうスムーズに通過させ、貨物の管理業務を減らして短時間に取り扱いができるよう、スキポール空港はさらなる改善に取り組んでいる。

アムステルダム地域はまた、750社以上のメンバー企業を有する世界最大のインターネット・エクスチェンジのひとつ、AMS - IX(アムステルダム・インターネット・エクスチェンジ)を有する。オランダは間違いなく、データのゲートウェイでもある。

 ブレインポート・アイントホーフェン(Brainport Eindhoven)はもう一つの重要なゲートウェイで、フィリップス(Phili ps)、ASML、NXPセミコンダクターズなどやオランダ応用科学研究機構(TNO)やホルストセンター(Holst C entre)といった有数の研究機関など、重要なプレイヤーが揃った、欧州ハイテク産業の中心である。日本企業をはじめ、世界企業が、この地域にすでに進出している。


 もうひとつのゲートウェイは、アグリフード・園芸・育種に関する知識が集中するフードバレーで、ワーヘニンゲン大学リサーチセンター(Wa ge ninge n U R)、N I ZO 食品研究所、TNOなど、多くのナレッジセンターが集中している。こうした、研究機関や政府機関、そして民間企業による最高レベルの知識の集積と相互作用が、オランダをして世界第2位の農産物輸出国に押し上げたのだ。オランダは、外国企業のフードバレー参入を歓迎している。

「輸出だけでなく、国内外企業による投資、住宅市場や建設業界の力強い回復などの要因により、オランダ経済は、再び成長を加速しています。成長率は2%を超え、政府財政も良い方向に向かっています。

 オランダ企業には、大きな革新力と競争力があります。国際競争力レポート 2 015-2016年(Global CompetitivenessReport 2015-2016)によると、EU諸国中、ドイツとオランダが4位と5位にランクインしています。日本は6位に入っており、このことも、日本とオランダには共通点が多いことを示しています。」

オランダは開放経済を進めており、外国貿易と対内直接投資が重要な役割を担っている。政治と経済が安定していることは知られていて、労使関係は安定し、失業率やインフレはかなり低く、非常に大きな経常黒字となっている。ノルウェーとともにオランダは、欧州最高の黒字額を誇り、これはつまり、ドイツをも上回っているということである (EU統計局Eurostat, data 2013)。

 ロジスティクスのゲートウェイ機能はすでに述べたように、農業と同様の位置を占めるが、オランダには他にも数多くの産業活動がある。おもな産業活動は、食品加工、化学品、石油精製、ハイテク産業、金融、クリエイティブ産業、電気機械である。オランダは、欧州をリードする国のひとつで、外国からの直接投資を積極的に呼び込んでいる。ビジネスはオランダ人のDNAの一部を成している。オランダでは、アムステルダム、ロッテルダムだけではなく、各地に進出した外国企業に働く人も多いのである。

 「外国からの直接投資および外国貿易は、オランダにとって重要です。輸出の拡大が成長をもたらし、雇用を増やします。オランダ統計局(CBS)によれば、210万人の雇用が輸出活動によって生み出されています。言うまでもなく、企業は自身で契約を増やし収益を得ます。しかし、政府としても、企業家にとって閉ざされていたかもしれない扉も、このような経済ミッションが訪問することで、扉を開ける手助けができると思います。2012年の首相就任および組閣以来、すでに60の経済ミッションが組織され、私が率いるのは今回で10組目となります。

 オランダに進出した日本企業は重要な役割を果たしていますし、日本企業にとってオランダが欧州3番目の進出先となっていることを誇りに思います。訪日中に進出企業の皆様とお会いして、オランダの投資環境、ビジネス環境について率直なご意見を伺いたいと思います。そして、オランダに対して示していただいている信頼と誠実に、心からの感謝を表明します。」

(2015/10)
Source: Ministry of General Affairs
https://www.government.nl/ministries/ministry-of-general-affairs